また、この季節が来たんだね
私にとって最悪なあの行事のある季節が・・・
BAD CHRISTMAS
2000年12月24日
PM5:00
いつも以上のおめかし、そしていつもより早く約束の場所へ・・・
1時間、2時間、3時間・・・待てば待つほど絶望という名の底なしの溝に堕ちてゆく
電話もつながらなくて、メールを送っても返事はなかった
私たちは、幸せだった
なのに・・・
「暁〜!!」
「里香・・・?何かあったの?」
「クリスマス、予定空いてる?」
「・・・うん。」
毎年、彼のために予定を空けている私
クリスマス、彼の行方が知れなくなった日
もしかしたら、帰ってくるんじゃないかって
でも、もしかしたら彼はこの世にいないのかもしれない
もしかしたら結婚しているかもしれない
私のことなんて覚えてるわけがない
もう期待をするのは、やめよう・・・
「気のない返事ねぇ・・・。もしかして、彼氏と喧嘩でもした?」
「そんなんじゃないわよ。」
「ふーん・・・。」
里香は疑いの目を向けつつ、もう一度聞いた。
「で、クリスマス空いてるの?」
「空いてる。」
「・・・もうっ、最初からはっきり言ってよねぇ。いい男、紹介してあげるからっ。」
にっこり微笑んで、里香は去っていった。
他にも同志を集めているらしい。
2003年12月24日
AM10:00
里香達との約束は14時。
まだまだ時間はあるのだけど、昨日降った雪を歩いてみたいと思った
まだ足跡は少ない
新雪を踏む私に幼心が蘇る
そして、それと同時に丈との思い出も蘇る
「暁っ。」
懐かしい、あの私の呼ぶ声
「どうしたのよ、その格好。ほらっ。」
私が彼にコートを着せる・・・
「いいよっ、暁が風邪引くだろっ。そうなったら俺困るからさ・・・」
「何でよ。」
「ほらっ、コレ・・・。」
丈が、ごそごそと何かを取り出して私に手渡した。
「何・・・?クリ・・・スマス・・・、クリスマスディナーショー?」
「そうっ。もうすぐクリスマスだろ?里香が風邪引いて来れなくなったら困るじゃん。」
「・・・・・・。」
「どうした?」
「・・・ありがとうっ。」
「そんな、泣くなって。おいっ。」
嬉しくて泣いている私を彼は抱き寄せた。
そして、私の頭にコートをかぶせた。
「あっ、やべっ、バイト遅れるっ。じゃあなっ。」
それっきりだった
私は連絡しようとしなかった
クリスマスにいっぱい話せばいい、楽しみはクリスマスに・・・
私の元にはせっかちな彼が忘れていったディナーショーの券が残っている
あの日、私はディナーショーがあるレストランには行かなかった
彼はせっかちでも約束の場所まで間違えてしまうような人ではなかったから
少し心配だったから翌日、レストランに電話した。
けれど・・・
彼は来ていなかった
3年前の楽しかった日々を思い出した私はいつのまにか泣いていた
「化粧、くずれちゃう・・・っ。」
溢れ出した涙が止む気配はなかった
向こうの角から人が来る気配があった。
私は顔を上げずに俯いたまま立ち尽くしていた。
その人が止まった。
思わず顔を上げた。
「・・・丈!?」
「あか・・・つき・・・。」
「丈!?丈なのね?」
私は興奮して彼のもとへ走った。
しかし、私は彼の目の前で立ち止まった。
もしかしたら、彼はもう・・・
ワタシノモノデハナイノカモシレナイノダカラ・・・
「暁?」
「今まで何してたの?」
「それは・・・」
「何で、あの日来なかったの?」
「・・・それは・・・。」
「電話がつながらなかったのはなんで?」
「・・・・・・。」
「メールを返信してくれなかったのは?」
「暁っ。」
大きな声で名前を呼ばれて、私は質問をやめた。
「俺さ、心配だったんだ・・・。このままでいいのか、これからどうなるのか・・・。」
「・・・・・・。」
彼は、あの頃バイトをしながら就職活動をしていたのだという。
しかし、どの会社も彼を雇おうとはしなかった
そんなある日、彼は友人の薦めでボランティア活動に参加した。
そうして、ボランティア活動をしてゆくうちに彼はもっと積極的に参加したいと思った。
そして、あの日・・・
あの日は、海外でのボランティアがあった
何も知らずに行った彼は、その日に帰ってこれなかった・・・
「ただのまぬけじゃんよ・・・。」
「ごめん・・・。」
「じゃあ、なんで今まで何の連絡もなかったの?」
「それは・・・、ちゃんとした男になって暁に会いたかったから・・・。」
「ちゃんとした男、ねぇ・・・。」
「暁にプロポーズできるような男になってから、暁の前に現れようと思って・・・。」
「プロポーズ!?」
「あ・・・。」
しまった、という顔をして丈は黙った。
しかし、次の瞬間
「暁、結婚してくださいっ。」
「・・・はい・・・。」
あの時のように、泣き出した私を丈は困ったような顔をして見つめた。
「あんまり泣くな。化粧崩れたら困るだろ。」
「いいわよ、一回家帰って直すから・・・。」
「だめ。」
「何で?」
「行きたいところ、いっぱいあるから。」
「・・・・・・?」
「3年間という時間を埋めるために。」
「今日一日で、埋めれる?」
「う・・・。」
今年のクリスマスは今までにない幸せがやってきた
3年という年月をなくしてしまうような・・・
里香には、電話で断っておこう。
きっと、怒るだろうけど
来年初詣で会ったら今日のことを報告しよう。
HAPPY MERRY CHRISTMAS!
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クリスマスプレゼント交換企画で、天馬蓮香さまにいただきました♪
最後には彼もちゃんと帰ってきて、ハッピーエンドになってよかったですっvv
どうもありがとうございましたぁ!!