MASK
ある国のお城に王子様がいました。
その王子様は自由気ままに暮らしていました。
☆
ある国の村に仮面をつけた少年がいました。
だから少年の顔をお父さんとお母さん以外誰も見たことがありません。仮面には鍵がついていてその鍵はお父さんしか持っていませんでした。
少年も見たことがありません。
☆
王子様はある日、お城の中で鍵を見つけました。しかし、お城の中のどの鍵でもありませんでした。
そこで王様に相談することしました。
鍵のことを王様に言うと王様は
「あなたが持っていてはいけない。」
と言って鍵を取り上げてしまいました。
だけど、王子様はどうしても鍵のことが気になって、王様のスキを狙って鍵を盗んでしまいました。
☆
仮面をつけた少年はある日、自分はいったいどういう顔をしているのかとても気になりました。
そこでお父さんとお母さんに相談すると、
「そんなこと考えてないで、別なこと考えてなさい。」
と言われてしまいました。
少年はどうしても気になって、町にある有名な鍵屋のところへ行って仮面の鍵を取ってもらおうと考えました。
そして次の日、少年は朝早く家を出て町まで行きました。
少年のお父さんが朝起きて気がついたときには、少年が町に向かった後でした。
☆
王子様はお城を出て町の有名な鍵屋に行きました。
鍵屋のおじさんに鍵を見せると、普通のドアの鍵ではないことが分かりました。
「何かの入れ物か何かだろうね。宝石箱かな?でも、鍵には王様の模様がついているね。」
と言って鍵を王子様に返しました。
そこへ1人の少年が鍵屋に入ってきました。
少年は見たところ王子様と同じくらいの年でしたが仮面をつけていました。
「いらっしゃい。何か御用ですか?」
仮面をつけた少年は走ってきたようで、最初は鍵屋のおじさんの質問にも答えられないようでしたが、少ししてようやく答えました。
「この仮面をはずしたいのですが、鍵を作ってもらえますか?」
鍵屋のおじさんはその仮面の後ろを見て驚きました。
そこには王様の模様がついていたのです。
「どうしてこの少年のつけている仮面に王様の模様が・・・?」
そしてまさかとは思いつつ、王子様からもう一度鍵を借りて仮面の鍵穴に入れました。
すると、
「カチッ」
と鍵が外れる音がしました。
そして仮面をはずして鍵屋のおじさんはまたも驚きました。
その少年の顔は王子様と瓜二つだったのです。
「どうして・・・。」
訳が分からずに不思議がる二人でしたが、近くにある鏡に並んで立ったとき気がつきました。
そこへ王様とその家来が来ました。
「遅かったか・・・。」
王様はそういいました。
「お父さんっ!これはどういうことですか?!」
王子様は少し怒ったように聞きました。
「わかった、全部話そう。君たちは双子の兄弟だ。少年のほうが兄で、王子様は弟だ。」
そして王様はこれまでのことを話し始めました。
☆
昔、王子様と少年が生まれたときの話。
今でも変わっていないが、王様の子供で双子が生まれた場合、一人は王様の子供に、
一人は仮面をつけて王様の子供だと分からないように暮らす決まりになっていた。
そして、王子様と少年が生まれてしまったため、一人は王様の子供として、一人は仮面をつけて暮らしていた。
しかし、偶然が重なってこの二人の兄弟は再会することになった。
☆
王様はそこまで言うと、深呼吸をしました。
王子様と少年は話を聞いて、同時に同じ質問をしました。
「僕たちは一生、一緒に暮らせないの?」
王様はその質問をされることを予想していたようで、すぐに答えました。
「いや。あるにはあるさ。だけど、それはとても長く時間がかかるかもしれない。
君たちが大人にならないと変えられないかもしれない。それでもいいかい?」
王子様と少年は同時にうなずきました。
「それはね。この国の決まりを変えることさ。大人になって君たちの時代になるときが来るだろう。
そしたらこの国の決まりを自由に変えることが王子様にはできるようになる。そのときに変えればいい。」
それはいつになるか分からない遠い未来の話でした。
だけど、王子様と少年は約束しました。
10年か20年、それ以上かもしれないけれど王子様は必ずこの決まりを変えてみせると約束しました。
少年はそのときが来るまでこの仮面は絶対にはずさないと約束しました。
その約束のしるしに王子様は指輪を、少年は仮面の鍵を交換しました。
☆
15年後。
もう立派な王様となった王子様は見事、国の決まりを変えました。
少年もあの日の約束を守ってずっと仮面をかぶり続けていました。
一緒に暮らせるようになった王子様と少年は、ずっと一緒に暮らしました。
おしまい
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鈴の木実さまに頂いてしまった小説です。
双子のお話〜と聞いて、どんな話だろう…?とドキドキしてたんですが、仮面ときましたか!!
今国語の授業でやってるのと似ている部分があったのでおぉって感じでした(笑)
少年…王子様のお兄さんに、欲が全然ないのがすごいなって思いました!
仮面をつけさせられたこととか、少しは憎んでもいいのに…少年優しすぎですv
どうもありがとうございました〜っ!!